増上寺前の道路

増上寺前の道路の通行については、車両通行帯が設けられていない道路(片側1車線の道路)において、歩行者保護のために道路の中央方向に寄ることが認められるかが問題点のようである。
自転車は、車両の一員として常に歩行者保護義務を負うので、歩行者保護の観点を重視した通行をするのが、横断歩行者が多い道路を通行する上での基本となる。

横断歩道・交差点以外における横断歩行者保護

『横断歩行者』の保護については、道路交通法上は、横断歩道または交差点を横断する歩行者に対するものは規定されているが、それ以外の場所については特に規定はない。
しかし、だからといって、横断歩道等以外の場所を横断する歩行者を保護する義務がないということにはならない。
横断歩道等以外の場所を横断する歩行者と道路通行車両との交通事故に関し車両側に8割前後もの過失が認定されることを考慮すれば、車両はいかなる場合においても横断歩行者を保護する注意義務を負うものと認識すべきであろう。
増上寺前の道路は、横断歩行者が多数存在するとのことなので、そういった事情を認識しているのであれば、積極的に歩行者保護を図る運転をすべきこととなる。

道路中央寄りの通行について

自転車は、車両通行帯が設けられていない道路(片側1車線の道路)においては、基本的に左側端寄りを通行しなければならないが、安全確保上やむを得ないときは、それよりも道路中央寄りを通行することが認められている。

路上駐車車両が散在する、横断歩行者が多い、路上駐車のために歩行者の動向を確認しにくいなどといった状況は、当然この「やむを得ないとき」に該当する。
そのため、必要な範囲において、道路中央方向に寄ることは、法律上問題ない。

なお、道路中央寄りに移動するための進路変更に際しては、後方車両の急ハンドル・急ブレーキを招くようなことをしてはならない。
後方確認をしっかり行う、可能であれば手信号による進路変更の合図を行うなどしよう。

関連条文

道路交通法

(左側寄り通行等)

第18条 車両(トロリーバスを除く。)は、車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、自動車及び原動機付自転車にあつては道路の左側に寄つて、軽車両にあつては道路の左側端に寄つて、それぞれ当該道路を通行しなければならない。ただし、追越しをするとき、第25条第2項若しくは第34条第2項若しくは第4項の規定により道路の中央若しくは右側端に寄るとき、又は道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、この限りでない。

(横断歩道等における歩行者等の優先)

第38条 車両等は、横断歩道又は自転車横断帯(以下この条において「横断歩道等」という。)に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車(以下この条において「歩行者等」という。)がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止することができるような速度で進行しなければならない。この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。

(横断歩道のない交差点における歩行者の優先)

第38条の2 車両等は、交差点又はその直近で横断歩道の設けられていない場所において歩行者が道路を横断しているときは、その歩行者の通行を妨げてはならない。