Q13.右折先の道路に左折レーンが。二段階右折だと、左折車のジャマになりそう・・・

この設問は、二段階右折において「交差点の範囲」をどのように解釈するのが適切かという問題になります。
自転車は、交差点における右折は、交差点の左側端に沿って通行する「二段階右折」によって行いますが、ここで、具体的な交差点の範囲が問題となります。
交差点は、道路交通法では「二以上の道路の交わる部分」と定義されておりますが、その具体的範囲については、裁判例によれば、道路交通法の目的及び適用される交通方法に関する規定の趣旨に従って解釈すべものとされております。
二段階右折における交差点の範囲をあまり広範に解釈すれば、状況によっては他の交通の妨げとなる位置に停止することとなるため、そのような場合には、直進車両が通行する部分に絞って交差点の範囲を解釈するのが妥当と考えます。

二段階右折の趣旨と交差点の範囲について

二段階右折の趣旨

二段階右折は、自動車などの他の車両と比べ一般に走行速度が遅い自転車(軽車両)を、交差点の左側端に沿って通行させることにより、自転車の安全と、交差点の交通の円滑を確保することを目的とした通行方法です。
そのため、交差点の範囲を含め、自転車の二段階右折の方法を解釈するに際しては、少なくとも自転車の安全と交差点の交通の円滑を損なわないように行う必要があります。

二段階右折における交差点の範囲

交差する道路のいずれにも左折レーンが設けられていない交差点においては、交差点の範囲を、文字通り『二以上の道路の交わる部分』と解釈しても、自転車の安全や交差点の交通の円滑には悪影響を及ぼしません。
そのため、交差点の範囲を常識的に解釈して、その交差点の左側端に沿って通行して、何ら問題ないでしょう。

しかし、本設問のように、交差する道路に左折レーンが設けられている交差点では、交差点の範囲を常識的に解釈すれば、左折車の通行を妨げる位置に自転車が停止することとなり、自転車の安全にも交差点の交通の円滑にも悪影響が及びます。
そのため、このような交差点においては、直進車両が通行する部分が交差する部分に絞って交差点の範囲を解釈するのが、最も妥当な解釈と考えます。

関連条文

道路交通法

(目的)

第1条 この法律は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

5 交差点 十字路、T字路その他二以上の道路が交わる場合における当該二以上の道路(歩道と車道の区別のある道路においては、車道)の交わる部分をいう。

(左折又は右折)

第34条

3 軽車両は、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、交差点の側端に沿つて徐行しなければならない。

道路交通法施行令

(信号の意味等)

第2条 法第4条第4項に規定する信号機の表示する信号の種類及び意味は、次の表に掲げるとおりとし、同表の下欄に掲げる信号の意味は、それぞれ同表の上欄に掲げる信号を表示する信号機に対面する交通について表示されるものとする。

信号の種類 信号の意味
青色の灯火 多通行帯道路等通行原動機付自転車及び軽車両は、直進(右折しようとして右折する地点まで直進し、その地点において右折することを含む。青色の灯火の矢印の項を除き、以下この条において同じ。)をし、又は左折することができること。
黄色の灯火 車両及び路面電車(以下この表において「車両等」という。)は、停止位置をこえて進行してはならないこと。ただし、黄色の灯火の信号が表示された時において当該停止位置に近接しているため安全に停止することができない場合を除く。
赤色の灯火 交差点において既に右折している多通行帯道路等通行原動機付自転車及び軽車両は、その右折している地点において停止しなければならないこと。